保険業法とは
保険事業に関する行政の監督を定めると共に、保険会社の組織・運営に関する規準を定めている法律です。
クーリングオフに関する規定は保険業法第309条及び保険業法施行令第45条などに定められています。
だだし法令上はクーリングオフが適用されない場合でも、保険会社が自主的にクーリング規定を契約者に有利に定めているケースが多くあります。例えば、店頭での契約について、「申込者があらかじめ訪問日や契約の申 込みをしたい旨を告げていた」場合、法令上クーリング・オフは適用されません。 しかし、保険会社は一般的に「店頭での契約については、一律クーリング・オフ
を適用」としています。「契約者が指定した場所」での契約、「保険料を振り込んだ場合」、「通信販売」、 「インターネットでの申込み」についても、クーリング・オフを適用しているのが一般的です。また、クーリングオフ期間についても、法律では8日間ですがより拡大されて、10日や15日になっているケースもあります。
保険契約がクーリングオフ可能か否かはまず法律によりますが、保険契約の定款や約款をよく読んで、独自の規定でクーリングオフ可能か確認する事が大切です。
参考条文
保険業法 第309条
- 保険会社等もしくは外国保険会社等に対し保険契約の申込みをした者または保険契約者(以下この条において「申込者等」という。)は、次に掲げる場合を除き、書面によりその保険契約の申込みの撤回または解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。
- 申込者等が、内閣府令で定めるところにより、保険契約の申込みの撤回等に関する事項を記載した書面を交付された場合において、その交付をされた日と申込みをした日とのいずれか遅い日から起算して8日を経過したとき。
- 申込者等が、営業もしくは事業のために、または営業もしくは事業として締結する保険契約として申込みをしたとき。
- 一般社団法人もしくは一般財団法人、特別の法律により設立された法人、法人でない社団もしくは財団で代表者もしくは管理人の定めのあるものまたは国もしくは地方公共団体が保険契約の申込みをしたとき。
- 当該保険契約の保険期間が1年以下であるとき。
- 当該保険契約が、法令により申込者等が加入を義務付けられているものであるとき。
- 申込者等が保険会社等、外国保険会社等、特定保険募集人または保険仲立人の営業所、事務所その他の場所において保険契約の申込みをした場合その他の場合で、申込者等の保護に欠けるおそれがないと認められるものとして政令で定める場合
- 前項第1号の場合において、保険会社等または外国保険会社等は、同号の規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、当該申込者等の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって内閣府令で定めるものにより提供することができる。この場合において、当該保険会社等または外国保険会社等は、当該書面を交付したものとみなす。
- 前項前段に規定する方法(内閣府令で定める方法を除く。)により第1項第1号の規定による書面の交付に代えて行われた当該書面に記載すべき事項の提供は、申込者等の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に当該申込者等に到達したものとみなす。
- 保険契約の申込みの撤回等は、当該保険契約の申込みの撤回等に係る書面を発した時に、その効力を生ずる。
- 保険会社等または外国保険会社等は、保険契約の申込みの撤回等があった場合には、申込者等に対し、その申込みの撤回等に伴う損害賠償または違約金その他の金銭の支払を請求することができない。ただし、第1項の規定による保険契約の解除の場合における当該解除までの期間に相当する保険料として内閣府令で定める金額については、この限りでない。
- 保険会社等または外国保険会社等は、保険契約の申込みの撤回等があった場合において、当該保険契約に関連して金銭を受領しているときは、申込者等に対し、速やかに、これを返還しなければならない。ただし、第1項の規定による保険契約の解除の場合における当該保険契約に係る保険料の前払として受領した金銭のうち前項の内閣府令で定める金額については、この限りでない。
- 特定保険募集人その他の保険募集を行う者は、保険契約につき申込みの撤回等があった場合において、当該保険契約に関連して金銭を受領しているときは、申込者等に対し、速やかに、これを返還しなければならない。
- 保険仲立人その他の保険募集を行う者は、保険会社等または外国保険会社等に保険契約の申込みの撤回等に伴い損害賠償その他の金銭を支払った場合において、当該支払に伴う損害賠償その他の金銭の支払を、申込みの撤回等をした者に対し、請求することができない。
- 保険契約の申込みの撤回等の当時、すでに保険金の支払の事由が生じているときは、当該申込みの撤回等は、その効力を生じない。ただし、申込みの撤回等を行った者が、申込みの撤回等の当時、すでに保険金の支払の事由の生じたことを知っているときは、この限りでない。
- 第1項および第4項から前項までの規定に反する特約で申込者等に不利なものは、無効とする。
保険業法施行令 第45条
法第309条第1項第6号に規定する政令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
- 申込者等(法第309条第1項に規定する申込者等をいう。以下この条において同じ。)が、保険会社等、外国保険会社等(免許特定法人の引受社員を含む。第5号および次条において同じ。)、特定保険募集人(法第276条に規定する特定保険募集人をいう。第47条の3第1項および第4項において同じ。)または保険仲立人(以下この条において「保険業者」と総称する。)に対し、あらかじめ日を通知してその営業所、事務所その他これらに準ずる場所(以下この号および次号において「営業所等」という。)を訪問し、かつ、当該通知し、または訪問した際に自己の訪問が保険契約の申込みをするためのものであることを明らかにした上で、当該営業所等において当該保険契約の申込みをした場合
- 申込者等が、自ら指定した場所(保険業者の営業所等および当該申込者等の居宅を除く。)において保険契約の申込みをすることを請求した場合において、当該保険契約の申込みをしたとき。
- 申込者等が、郵便その他の内閣府令で定める方法により保険契約の申込みをした場合
- 申込者等が、保険契約に係る保険料またはこれに相当する金銭の払込みを保険業者の預金または貯金の口座への振込みにより行った場合(当該保険契約の相手方である保険業者もしくは当該保険契約に係る保険募集を行った保険業者またはこれらの役員もしくは使用人に依頼して行った場合を除く。)
- 申込者等が、保険会社等または外国保険会社等の指定する医師による被保険者の診査をその成立の条件とする保険契約の申込みをした場合において、当該診査が終了したとき。
- 当該保険契約が、勤労者財産形成促進法第6条に規定する勤労者財産形成貯蓄契約、勤労者財産形成年金貯蓄契約または勤労者財産形成住宅貯蓄契約であるとき。
- 当該保険契約が、金銭消費貸借契約、賃貸借契約その他の契約に係る債務の履行を担保するための保険契約であるとき。
- 当該保険契約が、すでに締結されている保険契約(以下この号において「既契約」という。)の更改(保険金額その他の給付の内容または保険期間の変更に係るものに限る。)もしくは更新に係るものまたは既契約の保険金額、保険期間その他の内容の変更に係るものであるとき。